Django Webアプリ作成の基本手順






Django Webアプリ作成の基本手順


この手順は、Djangoを使ったWebアプリケーション開発の基本的な流れを説明します。新しいDjangoプロジェクトを始める際の最初のステップとしてご利用ください。

1. Pythonのインストール

DjangoはPythonのフレームワークなので、まずPythonがインストールされている必要があります。

  1. Pythonのダウンロード:

    Python公式サイトから最新版のPythonをダウンロードします(通常はWindowsインストーラー (64-bit) を選択)。

    Python公式サイト

  2. インストーラーの実行:

    ダウンロードしたインストーラーを実行します。

    重要: インストール開始時に「Add Python X.X to PATH」のチェックボックスを必ずオンにしてください。これにより、コマンドプロンプトからPythonコマンドが使えるようになります。

    Pythonインストール時のPATH追加オプションの例

    (ここにPythonインストール時の「Add Python X.X to PATH」にチェックを入れるスクリーンショットを挿入すると分かりやすいです。)

  3. インストール完了:

    指示に従ってインストールを完了させます。

  4. インストール確認:

    コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行してPythonが正しくインストールされ、PATHが通っているか確認します。

    python --version
    pip --version

    Pythonのバージョンとpipのバージョンが表示されればOKです。

2. 仮想環境の作成と有効化

プロジェクトごとに独立したPython環境を作るために、仮想環境を使用することを強く推奨します。これにより、プロジェクト間でライブラリの競合を防ぐことができます。

  1. プロジェクトディレクトリの作成:

    任意の場所に、プロジェクトのルートとなるディレクトリを作成します。

    mkdir C:\develop\vehicle_manager
    cd C:\develop\vehicle_manager

    (例として C:\develop\vehicle_manager を使用していますが、任意のパスで構いません。)

  2. 仮想環境の作成:

    プロジェクトディレクトリ内で以下のコマンドを実行します。

    python -m venv venv

    venv という名前の仮想環境が作成されます。

  3. 仮想環境の有効化:

    作成した仮想環境を有効にします。

    .\venv\Scripts\activate

    コマンドプロンプトの先頭に (venv) と表示されれば、仮想環境が有効になっています。

    仮想環境が有効化されたコマンドプロンプトの例

    (ここに仮想環境が有効化され、プロンプトに (venv) が表示されているスクリーンショットを挿入すると分かりやすいです。)

3. Djangoのインストール

仮想環境が有効になっている状態で、Djangoをインストールします。

pip install Django

インストールが完了したら、以下のコマンドでバージョンを確認できます。

django-admin --version

4. Djangoプロジェクトの作成

Djangoのインストールが完了したら、Webアプリケーションの基盤となるプロジェクトを作成します。

  1. Djangoプロジェクトの作成:

    プロジェクトディレクトリ(例: C:\develop\vehicle_manager)内で以下のコマンドを実行します。

    django-admin startproject vehicle_manager_project .

    最後の . は、現在のディレクトリにプロジェクトを作成するという意味です。これにより、vehicle_manager_project という名前のディレクトリがさらにネストされるのを防ぎます。

  2. プロジェクトの構造:

    作成後、ディレクトリ構造は以下のようになります。

    C:\develop\vehicle_manager\
    ├── venv\
    ├── manage.py
    └── vehicle_manager_project\
        ├── __init__.py
        ├── asgi.py
        ├── settings.py
        ├── urls.py
        └── wsgi.py

5. アプリケーションの作成

Djangoプロジェクトの中に、具体的な機能を持つ「アプリケーション」を作成します。今回はメンテナンス記録などの機能を管理するアプリとして「maintenance」を作成します。

  1. アプリケーションの作成:

    プロジェクトディレクトリ(例: C:\develop\vehicle_manager)内で以下のコマンドを実行します。

    python manage.py startapp maintenance
  2. アプリケーションの登録:

    作成したアプリをDjangoプロジェクトに認識させるため、vehicle_manager_project/settings.py を開き、INSTALLED_APPS リストに 'maintenance' を追加します。

    # vehicle_manager_project/settings.py
    
    INSTALLED_APPS = [
        'django.contrib.admin',
        'django.contrib.auth',
        'django.contrib.contenttypes',
        'django.contrib.sessions',
        'django.contrib.messages',
        'django.contrib.staticfiles',
        'maintenance', # <!-- ★この行を追加★ -->
    ]

6. データベースのマイグレーション

DjangoはデフォルトでSQLiteというファイルベースのデータベースを使用します。データベースを初期化するためにマイグレーションを実行します。

プロジェクトディレクトリ(例: C:\develop\vehicle_manager)内で以下のコマンドを実行します。

python manage.py migrate

これにより、必要なデータベーステーブルが作成されます。

7. 開発サーバーの起動

これで最低限のDjangoアプリケーションの骨格ができました。開発サーバーを起動して、動作を確認します。

プロジェクトディレクトリ(例: C:\develop\vehicle_manager)内で以下のコマンドを実行します。

python manage.py runserver

サーバーが起動すると、以下のようなメッセージが表示されます。

Watching for file changes with StatReloader
Performing system checks...

System check identified no issues (0 silenced).

You have 18 unapplied migration(s). Your project may not work properly until you apply the migrations for admin, auth, contenttypes, and sessions.
Run 'python manage.py migrate' to apply them.
May 28, 2025 - 10:30:00
Django version 5.0.6, using settings 'vehicle_manager_project.settings'
Starting development server at http://127.0.0.1:8000/
Quit the server with CTRL-BREAK.

Webブラウザを開き、http://127.0.0.1:8000/ にアクセスしてみてください。「The install worked successfully! Congratulations!」のようなデフォルトのDjangoページが表示されれば、正常に動作しています。

次のステップ

ここまでの手順で、Djangoの基本的なWebアプリが動作するようになりました。今後は、maintenance アプリケーションの中に、モデル(データの構造)、ビュー(表示ロジック)、テンプレート(HTMLファイル)などを追加していくことで、具体的な機能(メンテナンス記録、給油記録など)を実装していきます。


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